水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会/日本水文科学会 2022年度研究発表会
セッションID: OP-1-04
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流出
日本全国を対象にした広域洪水予測モデルの多地点精度検証
*佐山 敬洋山北 文登山田 真史菅原 快斗
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抄録

洪水予測や気候変動の影響評価など、様々な目的で分布型の水文モデルが利用されている。洪水予測では、観測された主要な地点の流量予測に加えて、観測情報の存在しない中小河川の予測も大切である。気候変動の影響評価では、流域の特性も反映したうえで、将来の変化傾向を広域俯瞰的に推定することが求められる。空間的に整合性の取れた水文予測を実現するためには、特定の流域を対象にした分析のみならず、複数の流域、地域、全国あるいは全球スケールでの水文モデリングとその検証が必要である。広域を対象とすることによって、多数の観測データを用いて統合的に分析できるようになり、比較水文学のアプローチによって、水文プロセスの解明やモデルの改善点なども明確化できる可能性がある。本研究は、日本全国を対象にした空間解像度150 mの洪水予測システムを用いて、洪水の予測精度を多地点で検証する。具体的には、条件付き確率法に基づく方法でモデルパラメータを地域統合化して設定したうえで、全国710地点(延べ2,965出水)を対象にした流出計算の精度検証を行う。本検討の結果、全国でNSEの中央値が0.86、四分位が0.75~0.92 となり、ピーク相対誤差の中央値が-0.09、四分位が-0.29~0.13であった。また、地点毎のNSE平均値の空間分布を確認したところ、西日本の方が東日本に比べて全体的に再現精度が高く、東北、北海道で特に精度が低くなる河川流域があることが分かった。さらに、流域の大きさに応じた精度を比較した結果、100~1,000 km2の流域スケールで最も精度が高く、10,000 km2を超える大流域の観測地点で相対的に精度が低くなっていることが明らかとなった。今後は、モデルが実現象を再現しきれないこ原因を類型化するとともに、その改善策を提示することが課題である。

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