日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
経皮的腎砕石術後に敗血症性ショックと急性呼吸促迫症候群をきたした1例
柏木 静三上 敦子土屋 智徳西沢 英雄
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2009 年 16 巻 3 号 p. 295-298

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抄録
症例は62歳,女性。腎結石に対して経皮的腎砕石術が施行された。術翌日より血圧低下,血小板数および凝固能の低下,呼吸状態の悪化をきたしたためICUに入室し,敗血症性ショックと診断された。急性呼吸促迫症候群も併発したが,抗生物質投与,人工呼吸管理,カテコラミン投与などにより全身状態は徐々に改善し,入室10日目に人工呼吸器より離脱した。経皮的腎砕石術後の敗血症性ショックの合併は非常に稀であるが,その原因として結石内細菌の存在と,腎盂内圧上昇に伴う細菌の血管内への混入が考えられている。低侵襲な手術である経皮的腎砕石術後にも敗血症性ショックを合併し得ることを念頭において,術後管理を行う必要があると考えられた。
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© 2009 日本集中治療医学会
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