抄録
活動型と低活動型せん妄に対する看護師の認識について,経験年数,勤務部署での違いを調査した。3,755名に質問紙調査を行い,有効回答1,681名分を分析した。活動型・低活動型せん妄症状に対し,せん妄と考える強さを5段階リッカートスケールで測定した。その結果,低活動型せん妄の症状認識値は,活動型より有意に低かった。経験年数5年未満と以上の比較,およびICUとその他の部署の比較では,低活動型の症状認識値に有意差はなかった。このことから,経験年数や部署にかかわらず,低活動型せん妄の症状は看護師に認識されていないことが示唆された。