日本集中治療医学会雑誌
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委員会報告
日本集中治療医学会評議員の所属施設における臨床倫理に関する現状調査
日本集中治療医学会倫理委員会
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2013 年 20 巻 2 号 p. 307-319

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抄録

日本集中治療医学会倫理委員会は,2006年に公表した「集中治療における重症患者の末期医療のあり方についての勧告」に基づいて活動を続けている。このたび,評議員の所属施設において,臨床倫理の問題を扱う病院倫理委員会(hospital ethics committee, HEC)の設置および活動状況などを把握するための調査を行った。回答率は73.2%であった。HECに関して,15.0%の施設ではHECを機能的にも有しておらず,その50%は今後の設置予定もなかった。病院倫理マニュアルは25.8%の施設で整備されておらず,その66.7%の施設は今後も作成予定がなかった。終末期に関するマニュアルでは,人工呼吸や補助循環,水分補給も中止・差し控えが認められており,実際に中止・差し控えが行われていた。その他,臨床倫理に対する病院の不理解や病院単位ではない臨床倫理コンサルテーションシステムの構築希望などの意見があった。この結果を踏まえ今後の活動の方向性を定めていきたい。

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© 2013 日本集中治療医学会
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