日本集中治療医学会雑誌
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原著
小児専門病院におけるrapid response system導入の効果
川崎 達也関根 裕司塩崎 麻那子釜田 峰都北村 祐司川根 清美加藤 寛幸
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2013 年 20 巻 4 号 p. 601-607

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抄録
【背景】Rapid response system(RRS)は予期せぬ病棟心停止や死亡率を減らす可能性が示唆され,国内外の医療安全指針に採用されている。【方法】2009年9月より当院にて全医師・看護師・リハビリスタッフが起動可能なRRSを導入した。全事案を前向き記録し,導入後24ヶ月間の病棟心停止の発生率や院内死亡率を導入前27ヶ月間と前後比較した。【結果】RRS起動件数は68件(1,000入院当たり6.6件)。RRS導入前後で病棟心停止(同前0.70,後0.68)や院内死亡率(同前8.56,後7.62)は低下しなかったが,病棟からのICU予定外入室患者の死亡率〔前10.7%,後3.8%;RR(relative risk)0.36,95%CI(confidence interval)0.13~0.98〕は有意に低下した。【結論】RRS導入前後の約2年間ずつの観察では病棟心停止や院内死亡率の改善は認めなかった。今後もシステムを改善し評価を継続する方針である。
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© 2013 日本集中治療医学会
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