抄録
【背景】敗血症性播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation, DIC)のprotein C(PC)活性と予後の関連を検討した。【方法】2008年10月から2011年1月の単施設での後方視的検討。敗血症性DIC 50例と,その中でDICを離脱した42例を対象とした。重症度,臓器障害,凝固線溶系因子と予後の関係をreceiver operating characteristic曲線を用いて検討した。【結果】敗血症性DIC症例とDIC離脱症例の予後と関連する因子は,DIC診断時のantithrombin(AT)値とPC値で,生存に対するcut-off値はAT≧50.2%,PC≧39.9%だった。陰性反応適中度と感度はATが,陽性反応適中度と特異度はPCが高かった。【結論】敗血症性DICの予後予測には,AT値と同様にPC値も有用である。