日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
成人心臓血管外科術後の非痙攣性てんかん重積状態11症例の検討
柚木 一馬菅生 教文植田 浩司下薗 崇宏瀬尾 龍太郎美馬 裕之山崎 和夫
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2015 年 22 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

非痙攣性てんかん重積状態(nonconvulsive status epilepticus, NCSE)は意識障害以外に臨床的所見に乏しく,脳波検査(electroencephalogram, EEG)が唯一の診断の手掛かりとなる。当院において体外循環使用成人心臓血管外科術後に意識障害の遷延,覚醒遅延からEEGを施行し,NCSEと診断・治療を行った11症例を分析した。NCSEと診断したのは体外循環使用成人心臓血管外科手術433例中11例(2.6%),11例中9例では治療介入後に意識レベルの改善を認めた。多変量解析では閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans, ASO)の合併,心房細動(atrial fibrillation, Af)の存在,体外循環時間180分以上,術中トラネキサム酸(tranexamic acid, TXA)の使用の4点が術後NCSEのリスク因子として同定された。術後意識障害が遷延する場合,NCSEを鑑別に挙げ早期にEEGを施行し,てんかん波を認めた場合は積極的に治療介入すべきである。またTXAは術後NCSEのリスク因子であり,その使用は出血リスクが高い症例に限定すべきである。

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© 2015 日本集中治療医学会
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