デクスメデトミジン(dexmedetomidine, DEX)は離脱徴候を引き起こさないと言われていたが,長期投与例が増加するに伴い,離脱徴候に関する報告が散見されている。しかし,少数例のものにとどまり,その実態は明らかではない。DEXによる離脱徴候が見られた5例について報告する。5症例の月齢の中央値は22(最小4,最大39),DEX投与期間の中央値は61時間(最小54,最大187),最大投与流量の中央値は 0.9μg/kg/hr(最小0.6,最大0.9)だった。DEXを漸減してから中止した症例はいなかった。離脱徴候としては頻脈,頻呼吸,高血圧,発熱,興奮,不機嫌,睡眠障害,振戦,易刺激性などの症状が見られた。DEXを長期間投与した小児では離脱徴候の出現に留意する必要がある。