日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
感染性胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術の検討
西島 功上門 あきの池村 綾渡慶次 賀博宮城 和史伊波 潔赤崎 満永野 貴昭
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2017 年 24 巻 2 号 p. 126-130

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抄録

【目的】当院にて経験した,感染性胸部大動脈瘤(mycotic thoracic aortic aneurysm, MTAA)に対する胸部ステントグラフト内挿術(thoracic endovascular aortic repair, TEVAR)の成績を検討した。【対象】2012年3月より2013年11月のMTAA連続5例を対象とした。起因菌,術後合併症,遠隔期死亡について検討した。【結果】平均年齢は79.6歳,男性3例,女性2例。腸管・気管との瘻孔形成を合併した症例はなかった。広域抗菌薬で経験的治療を行い,全症例来院当日にTEVARを施行した。血液培養により起因菌は全症例で同定でき,6週間経静脈的に抗菌薬の最適治療を行った後,経口抗菌薬へと変更し退院となった。平均観察期間15.2か月(7~29か月)で,全症例生存中である。

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© 2017 日本集中治療医学会
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