日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
右内頸静脈穿刺による脱血で体外膜型肺を併用し心肺蘇生を施行した4症例の検討
野島 宏悦内藤 宏道小崎 吉訓大谷 晋吉杉山 淳一川西 進萩岡 信吾森本 直樹
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2017 年 24 巻 2 号 p. 131-135

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抄録

透視装置が使用できない状況下でも安全で短時間に送・脱血管を挿入するため,脱血管を右内頸静脈穿刺にて留置し,院外難治性心停止患者に対し体外膜型肺を併用した心肺蘇生法を行った。対象患者は4名,来院から体外循環開始までの時間は平均19.5(16[最小値]~23[最大値])分で,ポンプ流量は2.5(1.2~3.7)l/minであった。導入に伴う出血,虚血,感染,送・脱血管先端の誤留置は認めなかった。心拍再開までは十分なポンプ流量を確保できた。自己心拍再開後,1例で脱血不良のため大腿静脈からの脱血管再留置を行った。2例が体外膜型肺を離脱,1例が独歩で退院,3例が死亡した。本4症例では脱血管に径の小さい送血用カニューレを代用し,右内頸静脈穿刺で留置したため,脱血に制限があったものの,院外心停止患者に対し,合併症なく迅速に体外膜型肺を導入できた。

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© 2017 日本集中治療医学会
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