日本集中治療医学会雑誌
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委員会報告
日本集中治療医学会評議員施設および会員医師の蘇生不要指示に関する現状・意識調査
日本集中治療医学会倫理委員会
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2017 年 24 巻 2 号 p. 227-243

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抄録
蘇生不要(Do Not Resuscitate, DNRまたはDo Not Attempt Resuscitation, DNAR)〔以後,DNR(DNAR)〕指示は,施設や医療者によって異なる解釈や運用がなされ,社会復帰可能な患者の生命が軽視されている懸念がある。本邦におけるDNR(DNAR) 指示の理解と運用,CPR(cardiopulmonary resuscitation)以外の医療行為の終了や差し控えなどへの影響を,本学会評議員と医師会員にアンケート調査した。結果,DNR(DNAR)指示で蘇生手技以外の差し控え・中止が多い,医師が一人でDNR(DNAR)を決めたり,複数でも多職種ではなく医師のみで決めることが多い,ADL(activities of daily living)が低い,後期高齢者や非終末期など本来適応ではない病態に対してDNR(DNAR)指示が出されている,指示は明記されても,DNR(DNAR)の協議過程は記されていない,DNR(DNAR)を患者や家族らと繰り返し評価し直すことが義務化されていない施設が多い,終末期医療とDNR(DNAR)が混同され両者の理解が不十分,などの問題が浮き彫りになった。
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© 2017 日本集中治療医学会
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