本論文では日本の企業文化に適したイノベーションのプロセスを提案する。シリコンバレー流のイノベーションプロセスは、少なくとも現状の日本企業の風土とはなじまない点がある。企業文化に問題があると考えるのでなく、ブランドや専門性の高い人材を活かし、創造的な提案を可能にするプロセスが構築できればよい。社会・競合・技術の動向を踏まえた上で、顧客ニーズにマッチした製品・サービスのコンセプトを検討する、デザイン思考をベースとしたプロセスを説明する。プロセスの設計や関連する様々な支援活動をアウトソーシングすることによって、様々な専門性をもった企業メンバーが効率的・効果的にデザインを行うことができる。