抄録
頸椎前方後方固定術後に咽頭浮腫に伴う上気道閉塞を認めた4症例を経験した。このうち3例では,術後抜管したところ遅発性に上気道閉塞による呼吸不全を来たし再挿管を要したが,咽頭内視鏡にて咽頭浮腫の軽減を確認後,抜管した。1例は術後2日目に咽頭内視鏡にて咽頭浮腫を認めたため抜管せずに浮腫に対する治療を続け,内視鏡にて定期的に観察し浮腫の軽減を確認後抜管し,良好に経過した。
頸椎前方後方固定術後には咽頭浮腫によると考えられる遅発性の上気道閉塞が起こりうるので注意が必要であり,予防的人工呼吸の継続が有効である。またその際の抜管時期の決定には,咽頭内視鏡による上気道評価が必要である。