日本集中治療医学会雑誌
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肝不全合併重症患者における肝細胞および全身エネルギー代謝動態の検討
志賀 英敏平澤 博之磯野 可一
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1995 年 2 巻 4 号 p. 207-216

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抄録
本研究は肝不全合併重症患者における肝細胞および全身エネルギー代謝動態を明らかにすることを目的とした。当ICUに入室した敗血症性肝不全43例,急性型劇症肝炎16例,亜急性型劇症肝炎13例を対象に,AKBR,ケトン体量,pyruvate/lactate,エネルギー消費量,呼吸商などを測定し,エネルギー代謝動態を検討した。敗血症性肝不全では代謝障害の場が肝および全身であり,エネルギー基質は主として脂肪であった。劇症肝炎では代謝障害の場は肝に限局しており,しかも急性型では肝全体の肝細胞において均一に代謝障害が発症しているのに対して,亜急性型では肝細胞が不均一に代謝障害を発症しており,また主たるエネルギー基質は急性型でも亜急性型でも糖であることが示唆された。肝不全は多彩な病態およびエネルギー代謝動態を呈するため,これらの指標を総合的に評価し,代謝動態を把握した上で,それに立脚した栄養管理を行うことが重要であると考えられた。
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