日本集中治療医学会雑誌
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2 巻, 4 号
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  • 中西 加寿也, 平澤 博之, 菅井 桂雄, 大竹 喜雄, 織田 成人, 志賀 英敏, 北村 伸哉, 河邊 統一
    1995 年 2 巻 4 号 p. 187-193
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    当施設で経験した呼吸不全の大多数は多臓器不全(multiple organ failure: MOF)の一分症として発症し,肺間質の浮腫が酸素化能悪化の主因であるため,この除去が治療上重要であると考えられるが,特に腎不全合併呼吸不全症例では治療に難渋することが多かった。1988年1月より1993年3月までの間に持続的血液濾過(continuous hemofiltration: CHF)又は持続的血液濾過透析(continuous hemodiafiltration: CHDF)を施行した腎不全合併呼吸不全59例を対象とし,CHF/CHDF開始時と3日後で,通常のPaO2を得るのに必要なFIO2, PEEP, respiratory index (RI),およびCVPの変化につき検討を加え,さらに累積水分バランス(cumulative water balance: CWB)についても検討を加えた。CHF/CHDF施行前後でFIO2,PEEP,RIは有意に低下し,酸素化能の改善を表していた。また期間中のCWBは平均-2282mlであったが,CVPにはほとんど変化なく,CHF/CHDFを施行することで血管内水分量に著変をきたさずに,間質の水分を除去しえたと考えられた。以上よりCHF/CHDFは腎不全合併呼吸不全に対する有効な血液浄化法であると考えられた。
  • 渡辺 敏光, 中西 和雄, 清水 一郎, 鳴岡 由美, 萬家 俊博, 越智 元郎, 土手 健太郎
    1995 年 2 巻 4 号 p. 195-200
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    喘息発作時の症状増悪の速さと人工呼吸時の臨床像との間にどのような関係があるのか検討した。人工呼吸を実施した重症喘息発作26例を,発作発現から気管内挿管までの時間により急速型(2±1時間,9例),中間型(14±5時間,9例),緩徐型(2.2±0.5日,8例)に分類し,人工呼吸時間,動脈血ガス分析,最高吸気圧(peak inspiratory pressure: PIP)の経時変化について測定した。急速型では高CO2血症を伴った混合性アシドーシスが認められ(気管内挿管時),PIPは高値を示したが(39±9cmH2O),回復は速やかで人工呼吸時間は短かった(10±8時間)。中間型ではPIPが著しく高く(42±8cmH2O),人工呼吸は長期化した(59±26時間)。緩徐型ではPIPが高くないにもかかわらず(31±5cmH2O),多量の気管内分泌物,低酸素血症などが持続し,人工呼吸は長期化した(63±29時間)。これらの結果は,人工呼吸時の臨床像が明らかに異なる3つの病型があること,そのうちの中間型は人工呼吸管理に関して最重症群であり,肺の圧外傷を起こす危険性が大きいことを示している。
  • 島井 新一郎, 高野 照夫, 高山 守正, 清野 精彦, 星野 公彦, 富田 喜文, 宗像 一雄, 早川 弘一
    1995 年 2 巻 4 号 p. 201-206
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞初回発作で,緊急冠動脈造影で再疎通が確認された19例(責任冠動脈がAmerican Heart Association (AHA)分類#6,#7)を対象に,ミオシン軽鎖I(MLC-I)流出動態と回復期心機能の関連につき検討した。緊急冠動脈造影未施行の6例をcontrol群とし,比較検討した。MLC-I流出曲線は,第1ピークが大なる2峰性流出動態を示す7例(A群),第2ピークが大なる5例(B群),1峰性の7例(C群)の3パターンに分類された。2峰性の流出動態を示す場合,回復期左室駆出率(LVEF)は第2ピークのみと有意(r=-0.610,p<0.05)の負相関を示した。なお,LVEFの平均値と標準偏差はA群44.4±13.1%,B群60.9±16.5%,C群62.3±14.3%で,A群はC群およびB+C群(62.0±15.0%)に比し,有意(P<0.05)の低値を示し,control群(49.8±14.8%)とは有意差を認めなかった。再疎通までの時間は,A群はB+C群に比し,有意(p<0.05)の長時間(5.72±1.11vs3.84±0.80時間)を要した。MLC-I流出動態を分析することは,再疎通療法の評価と回復期心機能の予測に有用である。
  • 志賀 英敏, 平澤 博之, 磯野 可一
    1995 年 2 巻 4 号 p. 207-216
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は肝不全合併重症患者における肝細胞および全身エネルギー代謝動態を明らかにすることを目的とした。当ICUに入室した敗血症性肝不全43例,急性型劇症肝炎16例,亜急性型劇症肝炎13例を対象に,AKBR,ケトン体量,pyruvate/lactate,エネルギー消費量,呼吸商などを測定し,エネルギー代謝動態を検討した。敗血症性肝不全では代謝障害の場が肝および全身であり,エネルギー基質は主として脂肪であった。劇症肝炎では代謝障害の場は肝に限局しており,しかも急性型では肝全体の肝細胞において均一に代謝障害が発症しているのに対して,亜急性型では肝細胞が不均一に代謝障害を発症しており,また主たるエネルギー基質は急性型でも亜急性型でも糖であることが示唆された。肝不全は多彩な病態およびエネルギー代謝動態を呈するため,これらの指標を総合的に評価し,代謝動態を把握した上で,それに立脚した栄養管理を行うことが重要であると考えられた。
  • 寺町 優子, 久保田 明美, 神尊 章子, 佐々木 登久美
    1995 年 2 巻 4 号 p. 217-222
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    合併症のない心筋梗塞患者61例を対象として,CCU入室後の急性期において,他動的に体位を仰臥位から側臥位に変換した際の血圧,HR,およびpressure-rate-product(PRP)の変化を5分毎に自動血圧監視装置で観察し適正な体位変換の方法について検討した。体位変換を開始したのは平均17時間で,体位変換時全例において収縮期血圧(sBP),およびPRPの有意な変化,ならびに合併症などの発現は認められなかった。しかし,個別の6例においてsBPの15%以上の下降が示され心筋梗塞患者における神経・体液性因子の異常による循環調節機転の失調が示唆された。また仰臥位保持による腰痛の訴えは78.7%に認められた。したがって,急性期における体位の保持に際しては,腰痛が出現しないように適宜側臥位に体位を変換することが重要であるが,その際sBPが大きく下降する事例に注目し,合併症の発現を監視しなければならない。
  • 北 義人, 石瀬 淳, 柴田 恵三, 吉田 豊, 廣田 幸次郎, 小林 勉
    1995 年 2 巻 4 号 p. 223-227
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    著増した白血球により偽性低酸素血症を呈した急性白血病の一例を経験した。骨髄異形成症候群の65歳男性が,腎癌摘出術後,高度の低酸素血症を来しICUへ入室した。パルスオキシメータでSpO2が98%に対し,血液ガス分析ではPaO2が41mmHg,SaO2が79%であった。白血球数が257×103・mm-3あり,急性白血病への移行と診断された。採血直後103mmHgのPaO2が,室温で2分後85,5分後69,10分後52,30分後36mmHgまで低下した。化学療法により白血球数が37×103・mm-3に減少した血液では酸素分圧の低下は見られなかった。これらのことから,著明に増加した病的白血球の代謝による酸素消費が,経時的な酸素分圧低下の原因と考えられた。
  • 福岡 敏雄, 島田 康弘
    1995 年 2 巻 4 号 p. 229
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 西山 友貴
    1995 年 2 巻 4 号 p. 229a
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 金丸 聡人, 森 秀麿
    1995 年 2 巻 4 号 p. 230
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 丸川 征四郎, 尾崎 孝平, 藤田 啓起, 山内 順子
    1995 年 2 巻 4 号 p. 231
    発行日: 1995/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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