抄録
末梢循環不全の患者に電気毛布を用いると,使用中のパルスオキシメータに誤作動が生じた。健康な被験者に末梢循環不全を作製して電気毛布を使用すると,酸素飽和度(SpO2)は0~99%の範囲で変動した。パルスオキシメータの吸光度信号をオシロスコープで観察すると,交流電源由来のノイズが混入した。ノイズ対策として,電気毛布を導電性カバーでシールドすると,ノイズの混入を99%減少させることができた。プローブをシールドしても,5~63%しか減少させることができなかった。吸光度測定周期を変更すると,電気毛布使用時にもSpO2の変動は92~100%になった。パルスオキシメータは,交流電源由来のノイズで誤作動を生ずること,吸光度測定周期の変更で,誤作動が避けられることが明らかになった。