日本集中治療医学会雑誌
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人工呼吸ウイニング時の換気モードの相違による患者自発呼吸および呼吸仕事量に及ぼす影響
間欠的強制換気と圧支持換気の比較
村田 克介窪田 達也
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2000 年 7 巻 2 号 p. 107-114

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抄録

間欠的強制換気(intermittent mandatory ventilation, IMV)と圧支持換気(pressure support ventilation, PSV)による人工呼吸からのウイニングが,自発呼吸と患者呼吸仕事量に及ぼす影響について比較検討した。IMVでは強制換気回数を,PSVではサポート圧を段階的に減少させた。ウイニングにより人工呼吸器が患者に与える仕事量は両群とも段階的に減少した。しかし,IMV,PSVによるウイニングが患者に及ぼす影響は全く異なっていた。ウイニング中,両群間の患者呼吸仕事量に有意な差を認め,IMV群では,ウイニング開始直後から急速に増加したが,PSV群では,段階的に増加した。IMV群の呼吸仕事量の増加の原因は主に,ウイニング開始とともに完全な自発呼吸が開始されることと,強制換気が呼吸仕事量の軽減に寄与しないことであった。また,IMV群における呼吸仕事量の増加の一因として,人工呼吸によって生じる負荷呼吸仕事量の増加,内因性呼気終末陽圧(intrinsic PEEP)の発生が関与していた。PSVによるウイニングは呼吸仕事量軽減と呼吸仕事量の段階的負荷を可能にするという点で優れていると考えられた。

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