日本集中治療医学会雑誌
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β溶血性G群レンサ球菌によるtoxic shock like syndrome
股関節離断術により救命しえた1症例
丹野 英大江 恭司清水 可方村田 克介窪田 達也鈴木 潤
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2000 年 7 巻 2 号 p. 115-120

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抄録

非A群レンサ球菌感染症によるtoxic shock like syndrome (TSLS)は,極めて稀にしか発症しないが,発症すると重篤な経過をとる場合がある。今回,骨髄異形性症候群の患者においてG群レンサ球菌による筋炎からTSLSに陥り,下肢切断により救命しえた症例を経験した。症例は64歳男性,左大腿部化膿性筋炎により敗血症性ショックを合併し,ICUに収容した。創部の細菌培養にてG群レンサ球菌が同定され,アンピシリン/スルバクタム,クリンダマイシン,トブラマイシンおよびγ-グロブリン製剤の投与を行ったが,皮膚の発赤腫張は左腰部から左足先端まで広がった。全身状態が悪化し,肝機能障害および播種性血管内凝固症候群を呈したため,第7病日,股関節離断術を施行した。全身状態は著明に改善しICUを退室できた。G群レンサ球菌感染症においても,A群レンサ球菌によるTSLSと同様な経過をとる可能性があるため,早期からの根治的治療が必要である。

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