日本集中治療医学会雑誌
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B群連鎖球菌による壊死性筋膜炎の1救命例
平田 孝夫金子 秀一小泉 有美馨宮崎 孝尚田村 高志増田 直樹山下 茂樹米井 昭智
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2002 年 9 巻 2 号 p. 121-126

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抄録

壊死性筋膜炎(necrotizing fasciitis, NF)はA群連鎖球菌によって起こることが多く,致死率の高い重篤な感染症である。今回我々は極めて稀なB群連鎖球菌によるNFの1救命例を経験したので報告する。症例は80歳男性。糖尿病を指摘され加療中であった。下腹部に表皮剥離を伴った有痛性の腫瘤を自覚した。2~3日後,疼痛が増悪し不隠状態となったため当院を受診した。腹部CTでガス像を含む皮下組織の広範な壊死を認めたためガス壊疽を疑い緊急の広範囲の腹壁開放術を行った。術後はICUに収容した。壊死組織からB群連鎖球菌が培養された。ICUでは,十分な鎮静下での創の洗浄,抗生物質,γグロブリン投与などにより第14病日に軽快退室した。B群連鎖球菌によるNFはA群と同様に極めて重篤で,治療には早期の開放洗浄術を含めた集中管理が重要である。

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