日本集中治療医学会雑誌
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新規購入インフュージョンポンプに対する導入時点検の重要性
大西 芳明黒田 泰弘福田 靖飯富 貴之佐藤 由美子加藤 道久阿部 正大下 修造
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2002 年 9 巻 2 号 p. 139-142

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抄録
新規購入された輸液ポンプ(TE-172,TERUMO,東京)100台およびシリンジポンプ(TE-312C,TERUMO,東京)120台に対して,初期トラブルを未然に防止するために臨床工学技士による導入時点検を実施しメーカー仕様と比較した。輸液ポンプでは,その外観,セルフチェック動作,気泡検出機能には異常は認められなかった。閉塞検出機能では,1台で高圧域で閉塞警報が検出範囲内で作動せず調整を必要とした。流量精度試験では10台に異常が認められ,1台で低流量域で流量が著しく減少し調整を必要とした。バッテリー性能では,shut down時間には異常なかったが,1台で電圧低下警報の発生時間の短縮が認められバッテリーを交換した。シリンジポンプでは,その外観,セルフチェック動作,シリンジ検出機能,残量検出機能,閉塞検出機能,バッテリー電圧低下警報の発生時間には異常は認められなかった。流量精度試験では8台に異常値が得られたが調整を必要とするほどではなかった。点検には107.5時間が必要であった。臨床工学技士による機器購入時の導入時点検は,点検に時間を要するが,その性能を維持するために不可欠である。
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