抄録
2000年4月から2001年1月までに大阪大学医学部附属病院集中治療部で1時間以上,非侵襲的陽圧換気(NPPV)を施行された13例を対象として再挿管回避要因を検討した。合計16試行を行い6例が再挿管となった(回避率62.5%)。再挿管を回避できた群(Group S)と再挿管に至った群(Group F)に分けて検討したところ,Group SではNPPV実施中にP/F比が有意に改善し,呼吸数が有意に減少していた(P<0.01)。これに反してGroup Fではこのような変化は認めなかった。Group FではNPPV実施中にP/F比の低下が認められ(P<0.01),肺の状態が悪化したものと考えられた。NPPV中の適切な再挿管基準検討の必要性が示唆された。