日本集中治療医学会雑誌
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9 巻 , 3 号
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  • 羽鳥 文麿
    2002 年 9 巻 3 号 p. 199-206
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    成人では非侵襲的陽圧換気(noninvasive positive pressure ventilation, NPPV)は慢性呼吸不全の治療法として有用性がほぼ確立しており,一部の急性呼吸不全に対してもその可能性が示唆されている。小児においてもNPPVは酸素化の改善や呼吸努力の軽減効果があり,気管挿管あるいは再挿管の回避が期待できる。しかし,日和見感染の発生率,集中治療室在室日数や入院期間の短縮効果,死亡率などについての検討はまだされていない。また鼻マスクなどのインターフェースはまだ充実しておらず,小児への適応を阻んでいる原因の一つである。成人よりも予備力が少なく理解力や協調性のない小児への適応はまだ十分検討されていないが,小児へのNPPVは魅力的な治療法である。しかし,本法は小児集中治療室などで小児呼吸管理の専門チームのもとで行われるべきであり,気管挿管の時機を逸してはならない。
  • 藤野 裕士, 内山 昭則, 西村 匡司, 西田 朋代, 小野 理恵, 西村 信哉, 妙中 信之, 真下 節
    2002 年 9 巻 3 号 p. 207-211
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    2000年4月から2001年1月までに大阪大学医学部附属病院集中治療部で1時間以上,非侵襲的陽圧換気(NPPV)を施行された13例を対象として再挿管回避要因を検討した。合計16試行を行い6例が再挿管となった(回避率62.5%)。再挿管を回避できた群(Group S)と再挿管に至った群(Group F)に分けて検討したところ,Group SではNPPV実施中にP/F比が有意に改善し,呼吸数が有意に減少していた(P<0.01)。これに反してGroup Fではこのような変化は認めなかった。Group FではNPPV実施中にP/F比の低下が認められ(P<0.01),肺の状態が悪化したものと考えられた。NPPV中の適切な再挿管基準検討の必要性が示唆された。
  • 谷西 秀紀, 鷹取 誠, 野上 悟史, 安積 知世, 多田 恵一
    2002 年 9 巻 3 号 p. 213-219
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    症例は51歳女性。2000年1月頃から全身倦怠感が出現,増強を認め2月20日当院入院。当初心不全の診断にて治療されていたが心室粗動を契機に全身状態,意識レベルの悪化を認めたため同25日ICUに入室した。肝酵素の著明な上昇,乏尿,凝固系の著明な延長,また心機能の悪化を認め,多臓器不全の診断にてオンライン血液濾過透析(on-line continuous hemodiafiltration, on-line CHDF)を開始したが改善傾向を認めず,同26日より持続的血漿交換(continuous plasma exchange, CPE)とon-line CHDFを血液回路を直列に連結して同時に施行することとした。新鮮凍結血漿40単位を用いてCPEを施行,その後血漿交換膜を取り外しon-line CHDFを継続し,2回施行ののち呼名に開眼を認め,以後全身状態は徐々に改善した。本症例における全身状態の改善は大量液置換の可能なon-line CHDFとCPEを直列に連結し同時に施行した効果が現れたためであり,本法は多臓器不全の病態を改善させるのに有効であると考えられた。
  • 石川 雅巳, 安保 佳苗, 難波 亜紀子, 川西 進, 御川 安仁, 東 龍哉, 宮崎 峰生, 光畑 直喜
    2002 年 9 巻 3 号 p. 221-226
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    患者は22歳の男性で,非定型溶血性尿毒症症候群(HUS)を原因とする慢性腎不全に対してABO血液型不適合生体腎移植を行った。移植前に2回の2重濾過血漿交換と1回の全血漿交換を施行した。手術直後の腎機能は良好であったが,術後1日目に尿量が減少したので血漿交換と透析を行った。通常のABO不適合生体腎移植よりも慎重な循環血液量,血液凝固系の管理を行ったが,移植腎の機能は術後3日目に廃絶された。移植腎機能低下の原因の鑑別,治療に難渋した。摘出腎の病理組織像は血管型拒絶であった。HUSの再発はみられなかった。
  • 田中 勝哲, 西村 匡司, 西村 信哉, 藤野 裕士, 内山 昭則, 妙中 信之, 真下 節
    2002 年 9 巻 3 号 p. 227-230
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    食道癌術後に急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome, ARDS)を発症した68歳の男性に対し,Meduriらの報告に基づいてメチルプレドニゾロン(methylprednisolone,MP)を少量,長期投与した症例を経験した。食道癌術後,患者の呼吸状態は悪化していき,術後19日目には動脈血ガス所見でpH7.30,PaO2 68mmHg,PaCO2 93mmHg〔〔FIO2 0.95,PEEP 10cmH2O,圧制御換気(pressure control ventilation, PCV) 15 cmH2O〕となった。肺胞洗浄を2回行い,細菌性肺炎を否定した後にMPの投与を開始した。動脈血ガス所見は徐々に改善し,長時間を必要としたものの人工呼吸器からの離脱に成功した。本症例の経過が自然治癒かMPの効果は判定しがたいが,経過から考えて人工呼吸器からの離脱にMPは有効であったと推察される。症例を選べば長期ステロイド少量投与は晩期ARDSに有用であり,人工呼吸器からの離脱を促す可能性がある。
  • 今中 宣依, 安宅 一晃, 福田 正子, 池下 和敏, 嶋岡 英輝, 佐谷 誠
    2002 年 9 巻 3 号 p. 231-234
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    薬物療法に固執することなく,体外式循環補助装置(extracorporeal life support, ECLS)を導入し救命し得た小児の劇症型心筋炎を経験した。症例は5歳の男児で,感冒様症状から急激に心不全に陥った。経胸壁心エコーを行ったところ左室の収縮力はびまん性に低下しており,心筋炎による心原性ショックと診断した。人工呼吸を開始し,利尿薬などで治療を試みるも,循環動態は改善せず,代謝性アシドーシスは進行した。この時点で,致死的不整脈を誘発する可能性のあるカテコラミンの使用を試みることなく,ECLSの導入を決定した。ECLS開始直後より循環動態は改善し,48時間後にはECLSを離脱し得た。40日後,軽度の拡張障害を残すものの,独歩で退院となった。急激な経過をたどる小児の劇症型心筋炎では,薬物療法の有効性の早期判定を含め,治療開始時よりECLSの導入を常に念頭に置いた管理が必要であると考えられた。
  • 松崎 由美子, 立石 彰男, 伊住 浩史, 副島 由行, 國廣 充, 瀬口 雅人, 福本 陽平, 古川 漸
    2002 年 9 巻 3 号 p. 235-240
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    エンテロウイルス(EV)は手足口病の原因ウイルスであるが,まれに致死的な中枢神経系障害を合併する。今回EV71による急性脳幹脳炎の小児の1例を経験した。患者は3歳,男児。発熱,腹痛,嘔吐が数日間続いた後,意識障害(JCS300)が出現した。入室時MRI検査では,T2強調画像で脳幹部に高信号域を認めた。人工呼吸管理としグリセロール,γ-グロブリンを投与したが,第2病日に突然,ショックと肺水腫をきたし,同時にびまん性脳浮腫が進行,脳波は徐波化した。ステロイド療法と軽度低体温療法(3日間,食道温34~35℃)を併用したところ,脳浮腫は徐々に改善した。さらにその後,thyrotropin releasing hormone (TRH)投与開始後より意識レベルも改善し(JCS20),第46病日一般病棟に転棟した。EV71脳幹脳炎では,厳密な呼吸循環管理と炎症による二次的脳損傷の抑制が重要である。軽度低体温療法には,興奮性神経毒性やサイトカイン機序による二次的脳損傷の抑制効果が期待できる。
  • 上田 康晴, 相星 淳一, 小井土 雄一, 山本 保博, 中村 敏弘, 横田 裕行, 黒川 顕
    2002 年 9 巻 3 号 p. 241-242
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 岸本 朋宗, 橋本 圭司, 小川 肇, 宮本 寛, 斎藤 洋司
    2002 年 9 巻 3 号 p. 243-244
    発行日: 2002/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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