日本集中治療医学会雑誌
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超急性液性拒絶を起こした非定型溶血性尿毒症症候群を原病とするABO不適合生体腎移植の1症例
石川 雅巳安保 佳苗難波 亜紀子川西 進御川 安仁東 龍哉宮崎 峰生光畑 直喜
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2002 年 9 巻 3 号 p. 221-226

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抄録
患者は22歳の男性で,非定型溶血性尿毒症症候群(HUS)を原因とする慢性腎不全に対してABO血液型不適合生体腎移植を行った。移植前に2回の2重濾過血漿交換と1回の全血漿交換を施行した。手術直後の腎機能は良好であったが,術後1日目に尿量が減少したので血漿交換と透析を行った。通常のABO不適合生体腎移植よりも慎重な循環血液量,血液凝固系の管理を行ったが,移植腎の機能は術後3日目に廃絶された。移植腎機能低下の原因の鑑別,治療に難渋した。摘出腎の病理組織像は血管型拒絶であった。HUSの再発はみられなかった。
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