情報通信学会誌
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論文
携帯通信サービス知覚品質がユーザーのサービス満足と行動意図に与える影響に関する実証研究
―日本と韓国の携帯通信サービス市場を事例として―
全 ヨンギュンステファン加納 貞彦
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2011 年 29 巻 1 号 p. 1_1-1_17

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抄録
本研究では、音声中心からデータ中心へサービスの転換期を迎えている携帯通信サービス市場の現状を検討して今後の市場を展望するために、3Gサービスが世界で最も普及している日本と韓国の携帯通信サービス市場を事例とし、ユーザー観点から携帯通信サービス知覚品質がユーザーのサービス満足と行動意図に与える影響を明らかにした。日本と韓国のサービス・ユーザーを対象にアンケート調査を行い、757人による応答をもとに共分散構造分析した結果、日本と韓国の携帯通信サービス・ユーザーは全体的に今の携帯通信サービスに高く満足していた。日本では、「データサービス・コンテンツ品質」と「モバイルデバイス品質」がユーザーのサービス満足に影響を与える主要因であった。また、「データサービス・ネットワーク品質」と「価格構造」がユーザーの行動意図に直接に影響を与える主要因であった。一方、韓国では「価格構造」と「顧客支援サービス品質」がユーザーのサービス満足の主要因であったが、サービス知覚品質が直接にユーザーの行動意図に与える影響は検証できなかった。携帯データサービスが最も普及している日本に関した本研究の結果から、今後の携帯通信サービス市場はデータサービスと、これに適したモバイルデバイス品質がユーザーのサービス満足と消費行動に最も影響を与えていくと考える。
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© 2011 情報通信学会
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