抄録
近年相次いで発生した大規模地震の被害は,様相・発生形態等の多くの面で従来とは異なる.このため災害復旧の現場では既存制度の不適合が指摘され,改善が求められている事項は少なくない.農地・農業施設の災害復旧においては原形復旧が原則とされているが,再度被害防止や整備水準向上などを目的とする改良復旧が求められている.また,個別被害の復旧においても計画に沿った事業推進の必要性が指摘されている.とりわけ,災害復旧を地域形成的な視点から見直すことの必要性は高まっている.本論では,現況制度の不適合の内容を検討するとともに,復旧手法の改善方策を提案した.また,地域形成の視点から,被害レベルに対応した計画的取り組みのあり方について提案した.