抄録
本研究では富山県の産業遺産である螺旋水車を取り上げ,水理実験を通じて発電用螺旋水車の動力特性を一事例において明らかにした.螺旋水車は勾配が約25°の水路に螺旋水車を水路床と平行に設置した時に最も効率よく稼働することがわかった.螺旋水車に増速機と発電機を取り付け,現場での開水路を利用した実証試験を行い,マイクロ水力発電の可能性についても検討した.実物の1/2モデルの螺旋水車でも300W程度の発電ができることから,補助電源としても活用できる.また農業用水路の落差工にも適用できる発電用螺旋水車の試作を重ね,発電効率を高める工夫をした結果,効率が70%に近い発電用螺旋水車を開発することができた.