2015 年 83 巻 3 号 p. I_91-I_97
本研究では, 寒冷地のコンクリート構造物において, 凍結融解の繰返し作用により微細ひび割れが発生している凍害劣化部の範囲を定量的に評価する手法として赤外線サーモグラフィー法をとりあげ, その評価手法の確立に向けた基礎的研究を実施した.まず, 採取コアを対象にしたアクティブ法による赤外線サーモグラフィー法の試験条件を検討した上で, この試験条件により微細ひび割れが検出できることを確認した.次に, 凍害劣化部の定量的評価手法を検討し, この手法で評価した劣化部割合と超音波伝播速度の関係を考察することで, 提案する手法の適用条件を明らかにした.