農業農村工学会論文集
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研究論文
ヒ素吸着剤としての農畜産系副産物の有用性
石川 奈緒千葉 啓子伊藤 歩海田 輝之
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2017 年 85 巻 2 号 p. I_169-I_175

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抄録
インドやバングラデシュなどアジアの多くの国々では,ヒ素(As)に汚染された地下水を使用することによる慢性ヒ素中毒が深刻である.本研究では,発展途上国で利用できる低コストのAs 吸着剤として農畜産系副産物に着目し,もみ殻の燻炭と家畜の骨から作られる骨炭について,そのAs 吸着剤としての有用性を検討した.骨炭の方がもみ殻燻炭よりもAs 除去能は高く,また吸着剤から溶出する元素類についても飲用水として問題ない範囲であることが示唆されたことから,骨炭は低コストのAs 吸着剤として利用できる可能性が示された.また,炭の触媒機能により,通常As 除去処理で行われるAs(III)をAs(V)に酸化する処理が可能であることが示された.骨炭では,0.5 mg/L のAs(III)を吸着させた場合,固液比が0.075(3g : 40 mL)以上であれば,バングラデシュの飲用基準値(50 μg/L)まで液中のAs 濃度を低下できた.
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© 2017 公益社団法人 農業農村工学会
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