農業用パイプラインは,屈曲点のスラスト力に対しスラストブロックで防護する方法が一般的であるが,直管を少しずつ屈曲させてスラストブロックを設置しない工法も有効である.しかし,軟弱地盤上に布設する時や大規模な地震災害時には管水路の継手部の離脱事故が多発している.そこで,耐震性に優れ,緩やかなカーブに追従して施工できるポリエチレン管の適用が期待されている.しかしながら,ポリエチレン管には内径300mm以下の基準しかないため,それ以上の内径の管における実用実績が少ない.そこで,中口径のポリエチレン管を適用した曲線配管工法の安全性を確認するため,実大規模の実験を行った.その結果,ポリエチレン管に発生するスラスト力は曲線配管に広く分散し,管路全体で受働できることがわかった.