農業農村工学会論文集
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研究論文
傾斜地に立地する小規模分散型樹園地の圃場整備における合意形成の特徴
武山 絵美古川 なつ実
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2024 年 92 巻 1 号 p. I_21-I_27

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抄録

本研究では, 収穫可能な樹木の伐採による経済的損失と無収入期間の長さ, 複数の小規模団地からなる広域での合意形成, および整備後の担い手確保という課題を有する, 傾斜地に立地する小規模分散型樹園地の圃場整備における合意形成の特徴を明らかにした.その結果, 団地が小規模に分散していることで減収リスクの分散が可能になるほか, 団地内での農地集積率向上により, 担い手を中心とした合意形成につながると考えられた.また, 小規模分散性は, 状況に応じた臨機応変な事業区域の取捨選択を可能にするほか, 合意形成に係る話し合いの単位を小さくすることにつながるメリットがあることもわかった.さらに, 事業区域内の既存耕作者が, 耕作の継続を望まない地権者と, 規模拡大を望む事業区域外の比較的若い新規耕作者の橋渡しを可能にし, 農地流動化に至ることがわかった.

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© 2024 公益社団法人 農業農村工学会
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