抄録
畑地帯集水利用システムの貯水池特性を水収支シミュレーションで明らかにした。他水源からの用水補給は貯水池容量縮小を伴い,潰れ地および築造経費削減に有効である。用水補給による縮小効果は連続補給の場合,集水面積に,条件補給の場合,補給開始時点に大きく影響される。5,000m3の貯水池(潅漑面積1ha,集水面積6ha)の場合,流入量の平均貯留率は50%程度であり,利用率は40%程度である。貯留方式および水収支単位については,経年貯留が単年貯留方式より貯水池容量は小規模化され有利である。また,水収支単位の影響は貯水池が小規模なほど顕著で,小規模貯水池では半旬,旬,月単位は適当でなく,日単位が望ましい。