抄録
電気二重層の相互作用に関するGouy-Chapman理論の関数形を用いて希薄なナトリウムモンモリロナイト懸濁液の降伏値と固体体積分率の関係を調べた. 提出された関数形はイオン強度によって大きく変化し, 藤井, 安富, 須藤らによって実験的に得られている降伏値の固体体積分率に対する急激な変化率を説明づけることが可能であった. また, 降伏値の絶対値については, 懸濁液におけるモンモリロナイトシートの配向と試料における荷電を有するモンモリロナイトシートの純度を想定して, 固体体積分率に関する補正係数を導入すれば, かなり良好に適合する事が示された. 提出された考え方の有効性はイオン強度とPHを明確にした実験によって示されることが予測された.