農業土木学会論文集
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造成後の露地畑における水分動態と下層補給の事例
谷川 寅彦木原 康孝福桜 盛一矢部 勝彦
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2000 年 2000 巻 205 号 p. 119-129,a3

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抄録

この研究は造成農地における土壌水分消費機構と毛管補給を営農条件下で明らかにするために行われた.各造成団地で選定された作物と栽培様式は春夏作ではトンネル栽培スイカ, トンネル・マルチ栽培メロン, マルチ栽培カンショであり, 秋作では丸ダイコン, 大カブ, プロッコリである.対象とした造成団地の土性は砂土もしくは砂壌土であり生長有効水分量は概ね34-103mmでありバラツキは大きい.土壌水分張力は最も乾燥した土層で春夏作のトンネルやマルチ側方から水分移動補給される条件でpF2.9程度となり, 被覆の無い秋作の露地栽培でもpF25-pF2.9程度となった.このような条件下, 消費水量は春夏作と秋作物で1.1-7.9mm/dと算定された.さらに80cmより深い土層からの毛管補給水量は調査地の条件で乾燥時期には概ね1.2mm/d以上と推測された.

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© 社団法人 農業農村工学会
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