国頭マージ地帯における赤土流出防止対策はさんご礁海域の環境保全の観点から重要である.本研究では, 国頭マージ土の盛土のような土構造物への有効利用を目的としてセメント安定処理した国頭マージ土の受食性と力学特性を検討した.侵食に及ぼすセメント添加量の影響はセメント安定処理土の野外侵食試験によって調べた。セメント安定処理土の侵食に対する抵抗性はセメント添加量2.5%以上で効果的である.さらに, セメント安定処理土の力学特性を明らかにするために締固め試験, スレーキング試験, 一軸圧縮試験およびCBR試験を実施し, セメント安定処理土の力学特性とそれに及ぼすセメント添加量および乾燥-水浸作用の影響を検討した.セメント安定処理は国頭マージ土の土質材料としての改善と土構造物表層部の侵食防止の面から有効な手法である.