農業土木学会論文集
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ガーナ国におけるタンク灌漑を用いた持続的農業計画
Frederick K AMUMENSAH山本 太平井上 光弘
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2000 年 2000 巻 205 号 p. 75-84,a2

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抄録

著者らはガーナ国の3種類の農業環境地域で得られた土壌・作物・気象データとニジェール国の降雨流出係数を用いてシミュレーションを行い, 降雨依存農業に代わるガーナ国の持続的農法としてタンク灌漑を提案した.期間中にタンクが枯渇しないことを前提に集水エプロンと貯水タンク, 350m2の耕地における水収支を計算した.異なる気象条件下で2種類の灌漑法を適用した場合について, 3つの作物栽培の最適エプロン面積を決定した.スプリンクラ法と比較すると, 点滴法では必要なエプロン面積が柑橘で41%, トマトで22%, トウモロコシで28%に縮小され, 最適タンク容量は約40%に縮小された.これは点適法の適用下で蒸発散量が減少したことによるものである.降雨の多い地域では灌漑法による差はほとんどなかった.小容量のタンクは越流を生じやすく, 特にスプリンクラ法の場合に顕著であった.また少雨の年に広いエプロンを設定すると, 平均的な雨量の年に過大なタンク越流が生じた.

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© 社団法人 農業農村工学会
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