農業土木学会論文集
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マイクロ灌漑における藻類の目詰まり障害と対策の必要性
山本 太平藤山 英保宮本 幸一畑中 淳
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2000 年 2000 巻 207 号 p. 405-412,a3

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抄録

鳥取県東伯農業水利事業地区内の岩坪池と鳥取大学乾燥地研究センターの砂丘湧水池を利用してマイクロ灌漑施設における数種のフィルターとエミッターに対する藻類の目詰まり障害について検討した. 5種類の藻類においてクロロフィルa濃度と濁度または懸濁質濃度との間には比較的高い相関関係がみられた. 富栄養化した岩坪池水の場合はアオコ, 鞭毛藻類, 珪藻類の大きさがフィルター濾材の目開き口径より小さかったが, 体積型フィルターでは面積型フィルターに比べエミッターの目詰まりが若干減少した. 良質な砂丘湧水では無蓋構造の貯水槽において灌漑期間中アオミドロが発生した. 面積型の金網フィルターではアオミドロの除塵が十分でなかった. 体積型のサンドフィルターでは灌漑期間が短い場合アオミドロが除塵されエミッターの目詰まりが減少した. 長期間の灌漑期間ではアオミドロが濾材の砂層部分に吸着して自動逆洗できず, 数ヶ月毎にフィルター砂層部の点検と洗浄を必要とした.

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© 社団法人 農業農村工学会
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