抄録
中山間地域に施工される矩形断面水路は, 急勾配でわん曲する場合が頻繁に生じてくる. この時, 上流急勾配水路を流下する高速流は, わん曲部にて側壁に衝突してジャンプし, 流水は側壁を溢水し飛び出してしまう. そこで, 矩形水路のわん曲部から下流の水路側壁を半円構造とすることで, この高速流が側壁に衝突してジャンプする上向きのエネルギーをらせん流の回転エネルギーに変換させ, 急勾配でわん曲する水路内の流水をスムーズに流下させる新しい水路構造を開発した. このらせん流水路 (仮称) は, 水路付帯構造物との組合せを必要とせずに流水制御が可能になり多大なコスト縮減を図ることができる.