抄録
乾燥地での植林にあたっては土壌中の水移動を制御し, 蒸発, 流失量を極力削減し, その分を樹木からの蒸散に変えることが必要である.そのために保水材を土壌に混合して透水性, 保水性を改善することが提案されている.本研究では豊浦砂に高分子保水材 (SAP), ボーキサイト, ピートをそれぞれ一定割合で混合し定量的に透水性, 保水性の挙動変化を把握した.また, 各保水材の最適な利用法についても考察した.
その結果, どの保水材を混合しても, 混合率の増加に伴い透水性は減少し, 保水性は増加する傾向が定量的に明らかになった. ピートを混合すると4.2>pF>1.8で大きな保水性の向上が確認された.焼成ボーキサイトでは, pF>4.2での体積含水率が大幅に増加し, 特に乾燥地において有効である可能性が示唆された.