抄録
福岡県黒木町で圃場整備の意向がある地区を対象に地理情報解析ツールとして一般化しつつあるGIS地理情報システムと客観的評価のできる数量化III類を用い, 土地分級評価と農地を対象にした土地利用の方向性にっいて考察を加えた.
まず, 比較的既存資料の収集が容易なデータとして, 土壌生産力等8因子に絞り, 水田, 畑, 果樹園, 茶畑それぞれの農地一筆毎の自然条件, 社会条件を分類し, 数量化III類を用いで性格の異なる農地のグループ化を客観的に行った.グループは自然回帰エリア, 都市化推進エリア, 圃場整備推進エリア等にまとめることができた.グループ化検討においては, カテゴリーが単純なほど明確なグループができると言える.最終的には水田, 畑, 果樹園, 茶畑を総合的に評価し, 農地利用の方向性を示した.市町村が優良農地の保全や基盤整備の検討を行う際には, 比較的単純で客観的な手法と言える.