抄録
多自然型水路などに見られる植生群は, 多種多様な動植物の生息環境を提供し, 豊かな自然環境を創出する. しかし, これらの植生群は流れに対して抵抗となるため, ビオトープなどの多自然型水路の設計には十分な植生群の抵抗評価が必要となる. 現在, 植生群を有する開水路ではManning式を用いて, Manning粗度係数に経験的に一定値を与えることでの抵抗計算が行われている. しかし, その数値選定の根拠に乏しく信頼性も検証されていない. 本研究では, 植生群を有する流れの流速分布から植生群を有する流れのManning粗度係数のモデル化を行った. 模型実験による実測値との比較により, そのモデルの妥当性を検証した.