農業土木学会論文集
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弾性波を用いたため池堤体内の水分状況推定
小林 晃丹羽 亮太柳本 智也山本 清仁青山 咸康
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2007 年 2007 巻 249 号 p. 231-238

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抄録
コンクリートの構造物に対する非破壊検査技術の開発は種々検討されているが, 士構造物の非破壊検査はあまり行われていない. しかし, ため池堤体のような土構造物において漏水などが問題となる場合, その経路の把握は, 維持補修計画において重要である. 本論では, 地質調査で最もよく行われている弾性波探査手法を援用して, ため池堤体内の水分状況を推定する簡便な手法について検討する. 理論はコンクリート構造物で用いられている打音法を参考にして, 反射面の位置を周波数分析から推定することを試みる. また, 音響インピーダンスの違いが波のパワーの大きさとなって現れることを利用して, その反射面位置に最大パワーで正規化した評価値をプロットすることにより, 内部の水分状況を推定する. その結果と電気探査結果と合わせると, 水分状況を合理的に推定できることを示す.
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