抄録
漏水のみられる愛媛県A池を対象に, 漏水領域特定のための調査, 改修方法の検討およびその改修効果の検証を行った.貯水池の水位と漏水量の関係, 孔内透水試験・ルジオン試験, ボーリング孔内水位の結果を総合的に判断して, 堤体部, 特に常時満水位 (F.W.L) から約5m下がりまでの間に漏水領域が存在することがわかった.また, その漏水領域の特定により, 堤体天端から10mまでの堤体用土を掘削し, 良質の築堤土に置換する部分置換工法を採用することが可能となった.さらに, 改修後に比抵抗電気探査を実施し, 改修部と未改修部の比抵抗変化率分布を比較することによって, A池堤体の遮水性の評価を行った.改修後の遮水性は向上しており, 改修の効果が現れていた.