宮古島では近年, 化学肥料の過剰施用と畜産廃棄物の不適切な管理によって地下水の水質が悪化している. 本研究では, 地下水の硝酸態窒素の低減対策として, サトウキビとソルガムの輪作およびメタン発酵消化液などの有機肥料とバガス炭の農地施用による水質改善効果を検討した. その結果, 有機肥料やバガス炭の施用によって, サトウキビの糖度や原料茎重が向上し, 可製糖量が高くなった. またバガス炭の施用によって, 浸透流出水中の硝酸態窒素濃度が下がった. さらに, サトウキビ栽培後にソルガム栽培を行うことで, 化学肥料区においても, 栽培期間中窒素溶脱は総投入量の12%まで抑制することができた. 宮古島の夏植えサトウキビ栽培や地理条件を考えると, サトウキビ収量および糖度向上, さらに環境負荷の削減を図るためには, 有機肥料やバガス炭の施用とソルガムとの輪作栽培は有効な方策であることが確認できた.