抄録
水田農業は, 担い手への農地集積による規模拡大を図り, 水稲, 大豆, 麦等による水田輪作体系を確立するこ一とが求められている. このためには, 低コスト・省力化栽培技術体系の確立と畑作化の阻害要因である湿害や旱魃害を克服する必要がある. そこで, レーザー光線でコントロールできるプラウとレベラーによる鋤床と圃場面の緩傾斜化が, 田面排水や地表灌概の時間や流量に及ぼす影響, 及び最適な傾斜度, 土壌流亡等について調査・検討した. その結果, 圃場面傾斜化は田面排水時間の短縮と流出率の増大により湛水被害を回避でき, 地表灌瀧時も短時間で圃場全面の湛水が図れ, 水口側の湿害が回避できること, 表面侵食も問題ないこと等が明らかとなった. また, 傾斜度は1‰が排水・灌概促進効果や土壌流亡の防止, 施工時間等の面で適当であった.