農業農村工学会論文集
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海風の卓越する混住化市域での気温形成
竹下 伸一堀野 治彦三野 徹中桐 貴生
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2008 年 2008 巻 255 号 p. 313-320,a2

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抄録

大阪湾に隣接し, かっ農地と宅地の混在化が著しい岸和田市を対象に気温および風の観測を行い, 地域内の水の時期的, 空間的偏在性を考慮しながら, この地域における風の特性および気温分布形成について評価した. その結果, まず, 気圧傾度の小さい晴天日において, 日中は北よりの海風, 夜間は南東からの陸風が卓越していることが明らかとなった. 次に, 地域内を各地目割合により市街域, 農村域, 混在域に区分し, 各区域ごとの平均気温を灌概期・非灌概期別に比較すると, 区域間での気温格差は, 非灌概期よりも灌概期での方が大きく, 農地割合の多い農村域において, 昼夜とも気温が最も低くなっていた. また, 海風の卓越する日中では, この影響を受けて, 沿岸部の市街地よりもむしろ内陸側の混在域で気温が高くなることがわかった.

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© 社団法人 農業農村工学会
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