密度成層化した水域に繁茂する水生植物が水面冷却過程の流動に及ぼす影響について, 模擬水槽を用いた水理実験ならびに理論的解析を行い検討した. まず, 可視化実験の結果から, 水面の一部が被覆された場合は, 不均一冷却の流れ場となるため, 水面近傍の密度不安定に基づく冷水塊の発生頻度および冷水塊の沈降にともない形成される対流セルの形状は均一冷却の流れ場とは異なる様相を呈することを示した. つぎに, 水温計測実験の結果から, 被覆部と水面部における水面からの熱フラックスおよびこれに起因する水温変動の特性を明らかにした. さらに, 混合層の特性に関する理論的な解析と水温計測実験結果から, 混合層の水温低下速度ならびに混合層厚さの発達速度は被覆部および水面部に付加される熱フラックス量とその差異に起因する水平対流に強く依存することを示し.