情報知識学会誌
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教育の質的改善を目的としたe-ラーニングの研究動向
桑原 恒夫
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2004 年 14 巻 2 号 p. 25-32

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抄録
 e-ラーニングでは教育の効率向上を目指した遠隔授業システムやWBT(Web Based Training)などが先行して実用化された。しかしこれらのシステムでは教育者と学習者とのインタラクションが低下し、教育の質を改善が図れるとは言いがたい。これに対して最近、学習者の進捗や理解状態をリアルタイムで教育者にフィードバックし、教育者の教育活動を支援して教育の質的改善を図るシステムが提案された。その一つは、標準的な知識提示はWBTで自動的に行いつつ学習者の行き詰まりや理解状態を示す情報を教育者に提示しそれに基づいて教育者を個々の学習者の教育に専念させるものである。もう一つは大人数授業で学習者全員の演習問題の進捗を教育者に提示し、教育者に授業の運営判断を行わせるものである。またe-ラーニングで蓄積した教育ロブを分析し、教育方法の改善に資する事も有効である。この分野は現在まだ萌芽の段階だが期待は大きい。
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