2017 年 26 巻 4 号 p. 331-336
21世紀に生きるわれわれが直面する地球規模の難題群に主体的かつ能動的に対処するためには,人間の営みのパラダイムを自然の循環の論理とよりよく適合するものに転換し,環境の淘汰圧に対する自由度の高い,環境の変化に中立的な認知,思考と行動,評価・感情を自己完結的に実現しなければならない.自然の循環の論理と適合するための条件は, 部分/全体, 深さ/拡がり, 斥け合う/引き合う, 競争/協調, という一見矛盾し二項対立する相補的な(complementary)ベクトルの間に融合という臨界性(criticality)を実現して行くことであろう.