2018 年 28 巻 2 号 p. 97-104
明治12年(1879)に建議から36年間の歳月を費やして完成された『古事類苑』全1000巻は、近代古典学の精華を体現した明治の代表的一大類書(古典的百科事典)といえる。本叢書の膨大なデータベースは、約2割の全文テキストデータベース以外は・画像・抄出・インデックスによる形態で複数のサイトから作成・公開が行われ、各公開データの組み合わせによって、その全貌を分析することが可能となってきた。
本発表では、その全引用書の特質から、『古事類苑』が提示した学問の総体と、編纂者達が独自の知見により本文校訂を行って『古事類苑』本とでもいうべき資料があったことを提示する。