2021 年 31 巻 2 号 p. 343-354
情報検索プロセスでは,ユーザが複数のクエリを入力し検索を繰り返すことで目的を達成することが多い。従って,ユーザの検索意図をより正確に発見するため,検索行動からユーザのクエリに対する満足度の推定は重要な課題の1 つとなる.本研究ではクエリを時系列に並べ,ユーザのクエリレベルの満足度を推定する手法を提案する。提案手法は,クエリ満足度の予測によく使われているクリックデータ、間隔時間とクエリ修正を特徴量とする。加えて,修正クエリと先行クエリの検索結果との関連はクエリ満足度に影響を与えるかを考慮する。これら4 つの特徴量を組み合わせてクエリ満足度の推定を行う.評価実験から,クエリとドキュメントの関連度により,推定効果がクエリ修正のみと比べて約6 ポイント向上させたことが分かったが,4 つの特徴量を使う際,71.27%の正解率となり,最良の結果が得られなかった.本論文で,それに対して失敗分析を行い,改善策について検討し報告する.